『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』を観てきました。
すごく話題になっているにもかかわらず、製作した木下グループの直営映画館8館でのみ上映されるなど、大幅に上映規模が縮小されてしまった作品です。
「観られる人は、観たほうがいい」
そんな声を聞いて、何か使命感のようなものを感じ、観に行ってきました。
そして――
素晴らしい映画でした。
観る前と観たあとでは、自分の中で何かが変わったような感覚さえあります。
父も戦争でミャンマーにいた
実は、私の父も第二次世界大戦中、兵隊としてミャンマーにいました。
戦争中のことを、父はほとんど何も語りませんでした。
ただ、時折、母や私に暴力を振るうことがありました。
父が亡くなった後、最近になって、
「もしかすると、あの行動には戦争体験や、その後の心の傷が影響していたのかもしれない」
と思うようになりました。
もちろん、今となっては本当のことは分かりません。
父が戦争中に何を経験し、何を見て、何を感じていたのか。
私は何も知りません。
父が亡くなった後、
「もっと戦争のときの話を聞いておけばよかった」
と思ったことがあります。
でも、この映画を観て、少し考えが変わりました。
もし生きている間に聞いていたとしても、父はきっと話してくれなかったのだろうな、と。
それほどまでに、戦争というものは、人に語ることさえできないほど深い傷を残すものなのかもしれません。
それでも、語り続けたネルソンさん
だからこそ、長い年月を経ても自分の体験を語り続けたネルソンさんは、本当にすごいと思いました。
自分が経験したことを言葉にする。
それを誰かに伝える。
そして、次の世代に残していく。
決して簡単なことではないと思います。
だからこそ、
私たちは、その言葉に耳を傾けなければならない。
そう強く感じました。
戦争を知らない私たちが、戦争について考えるためには、実際に戦争を経験した人たちの言葉に耳を傾けるしかありません。
そして、語ることのできる人が少なくなっていく今だからこそ、その言葉を受け取ることは、私たちの責任でもあるのだと思います。
映画を観終わったあと、しばらく席を立つことができませんでした。
父のことも、戦争のことも、これまでとは少し違う角度から考えるようになりました。
一人でも多くの方に、この映画を観ていただきたいです。
そして、観た人それぞれが、自分自身の中にある「戦争」について考えるきっかけになればと思います。

