濱口竜介監督作品『急に具合が悪くなる』を観てきました。
主人公が末期がん患者であること以外、
あえてほとんど情報を入れずに観たのですが、
冒頭3分ほどのあるシーンで、
この映画の核となるテーマの一つに気づいてから、
ラストまで、断続的に泣き続けていました。
私の中での邦画ナンバーワンは、
これまで濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』だったのですが、
今回、塗り替わってしまいました。
特に「人への支援」に携わっている方には、
深く刺さる作品なのではないかと思います。
けれど、この映画が問いかけていることは、
決して「支援する側・される側」だけのものではありません。
生きること。
死ぬこと。
老いること。
病に苦しむこと。
理想と現実。
人との出会いと、偶然。
そして、自分ではどうすることもできない現実を前にして、
それでも「人とともに生きる」とはどういうことなのか。
そんなことを、観終わったあともずっと考え続けています。
濱口監督は、映画を通して「世界を変える」ということを、
本気でやろうとしている人なのかもしれない。
そんなことまで感じさせられました。
久しぶりに、「人生を変える映画」に出会えた気がします。
3時間半という長さに、少し躊躇されている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、もし少しでも気になっているなら、ぜひ映画館で観てほしい。
切実な願いとして、ここは騙されたと思って、時間をつくって足を運んでみてください。
きっと、映画を観る前と観たあとでは、
「人」や「生きること」に対する見え方が、少し変わっているのではないかと思います。

