最近、ミュージカル「Little Women~若草物語~」を続けて観た。
ひとつは、洗足学園による公演。
ぼくが観たのは2年生が中心の公演。
もうひとつは、早稲田を中心にミュージカルを公演している団体Seire Musical Projectによるもの。 こちらは、プロと学生混成と言ってよい。
洗足学園は大変に真面目に、Seiren は少しユーモアを多くした味付けで、それぞれ楽しい舞台だった。
この作品はブロードウェイでは、スター:サットン・フォスターの主演ながら、上演回数130回ほどで打ち切り。
音楽はとてもいいし、CDを聴く限り、パーフォーマンスもいい。
なぜだろうか。
思うに、アメリカ人には原作の認知度が高過ぎて、物語を表面的になぞっただけという評価だったのではないだろうか。
原作を読んだ人が、そのミュージカル化されたものを観て、不満を覚えるのは日本人も同じである。
日本での「若草物語」。
知ってはいても、物語やキャラクターを知っている人はそれほど多くないだろう。
ぼく自身も小説は読んでいない。
マービン・ルロイ監督のMGM映画を観ただけ。
この映画は、ジューン・アリソン、エリザベス・テイラー、マーガレット・オブライエン、ジャネット・リー、ピーター・ロウフォード、ロッサノ・ブラッツィという豪華キャストの競演が楽しかった。 寧ろ興味はそちら。
「若草物語」は「赤毛のアン」などと同じように少女向け小説と思っていた。
今も、改めて小説を読もうと思わないが。
そんな背景もあり、ミュージカル「Little Women」の物語や登場人物のキャラクターはとても新鮮で、面白かった。
そして、素敵な音楽と相まって、素敵な作品と感じた。
確かに、登場人物を深く掘り下げていない。
逆に、それが演じ易くなっているのかも知れない。
聴かせどころのナムバーも沢山あって、観客の心を捉えやすい。
学生たちの公演の面白さはこの辺にあったのではないかと思う。
この作品、ブロードウェイでヒットしなかったためか、日本の大手はスルーした。
幸運なことに。
タレントが並ぶキャストを想像するだけで、ゾッとする。