彼との初めての旅行

予想していたのとは
全く違っていた

自宅まで迎えに来てくれて
途中何度か
車酔いしやすい私を
気遣って
コンビニに意味なく立ち寄った

私があまりに
我慢できないときは
路肩に駐車して
気持ち悪さが治まるのを
焦らせずに
待ってくれた

夜になって
イルミネーションを
見に行ったときにも
騒音が苦手な私を気遣って
寒いのにテラス席にするか
聞いてくれた

イルミネーションを見た後
ふたりでほうとうを食べに行った
私が高い食べ物が苦手だから
気軽に食べられるものを
彼は探してくれた

宿について
一緒にお風呂に入って
少しだけイチャイチャした

私があまりにガチガチに
なってしまったから
彼は理由をつけて
私を部屋に一人にしてくれた

一緒にマッサージをしあった
天才級に上手いと絶賛され
彼はヨダレを垂らしながら
爆睡した

放置された私は
ちょっと素直になれず
彼に八つ当たりした

彼に初めてすっぴんを見せた
私は自分の顔に
かなりのコンプレックスがあって
かなりつらかったけど
彼は意外にも
僕はすっぴんの方が好きだなと
言ってくれた

じゃあメイクやめるといったら
自分のモチベーションになるなら
してもいいと思うよ
ただ、してもしなくても
君は君だもん
僕が赤のズボンを履いたり
青のズボンを履くのとおなじ

私のコンプレックスなんて
小さなことだよねって言ったら
コンプレックスをさらけ出した君は
勇気があると思う本当に
っていいこいいこされた

一緒にみかんと緑茶を飲んだ
なんだかほっこりした

夜はシングルの布団を
くっつけて寝た

何かしてくるのか
内心ドキドキしていたけど
実際は何もなくて
ただ手を繋いで寝た

初めて他人の横で寝られた

今は爆睡している彼から離れたところで
これを書いている

今日何が起きるのか
まだわからない

旅行は互いに本音が出ると
聞いたことがあったけど

君はたくさんの顔を見せるね
どれが本音の君かじっくり見たい

私は彼に前より
ぞっこんになったんだけど
彼はどうなんだろう

ちょっと心配だけど
嘘はつかないって約束だから
今日も彼に素直にいたい


end