ふたりの歩みは
まだまだ始まったばかりで
どこか頼りない

お互いに
お互いを大切にしすぎて
ぎこちない

ただ
日に日に
相手の新しい一面を知ると
どうしようもなく
惹かれてしまって
頭が相手でいっぱいになる

世界には
もう二人しか
生きていないような感覚になって
ふと我に返って
馬鹿げていると恥ずかしくなる

なんでこんなにこの人なのか
理由が見つからない

顔が好きなわけでも
体型が好きなわけでも
声が好きなわけでもない

強いて挙げるなら
仕草なのかな

私に向けられる笑顔
照れてはにかむ顔
優しい手

次はどんな一面を
私に見せてくれるの

たまには
嫌な面も見せてほしいな

私はたくさん見せてきたでしょ
他人の悪口も聞かせたし
愚痴もたくさん話したね

貴方はいつも
聞かせてくれてありがとうって
感謝される覚えはないよ
八つ当たりなんだよ分からないの?

いや、きっと分かってるね
だって貴方は私なんかより
賢くていつも冷静だもん

大好きって言うタイミングが
いまいち掴めない

どういう時に言ってるのか聞いたら
考えて言ってるんじゃないよ
溢れて言わずには居られないんだよって

私もね溢れてるんだよ実は
でも私の大好きは
喉の変なとこに貼り付いて

貼り付いたまま固まって
外に出る前に
また唾と一緒に
お腹に戻ってきちゃうの

でもね、最近
裏技を身に付けたんだよ

私もって言葉

ずるいよね
姑息で勇気の欠片もないよね

でもいつかこの気持ちを
貴方のように
素直に
自然に
さりげなく
言葉として伝えたい

大切に思ってるんだよ
これは本当なんだよ

もう少し待ってね
もう少し自信がついたら
必ず伝えるから



end