なんだか恋わずらいのようなタイトルですが(笑)筆耕のお話です。

前回、知人の言葉を借りて「苦しい時も書き続けられる人」について書きました。

「字を書く事=好きな事」を仕事にしているのだから楽しくて仕方ないのでは?苦しいなんて矛盾しているのでは?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん自分の好きな事(特技)=筆耕を生業に出来ている事はこの上なく嬉しい事だし、お客様が私の字を選んで下さる事には感謝しかありません。
でもね…
プロとしてこの仕事をしている人で自分の字に満足している人ってほとんどいないと思うんです。

私も字の練習をしながら、「書いても書いてもまだまだ。どうして思うように書けないの…」と思う事が多々あります。ものすごく上手い人でさえ「もっと上手くなりたい」と言うんですから、私がそう思うのは当然といえば当然。

自分の中に理想とする字、線があって、そこにどうにか到達しようともがくから苦しいんですよね。


他人と比べて
「あの人より書けている」
と思った時点で成長は止まるし、
技術が伴わないのを自覚していながら
「この程度書けていれば大丈夫」
と思った時点で負け。

もちろん自信を持つことはすごく大事で、自信なくしては何も出来ません。でも上に書いた事は自信というより慢心ですね。

苦しくてもがいて、それでも書き続ける事を繰り返しているうちに気がついたらひとつ上の階段に立てている気がするんです。