筆耕士で長く続いている人には共通点がある気がします。※注:私の独断と偏見です

「字を書くことが心底好きで絶対に筆耕士になりたかった!」
というより
「気づいたら筆耕士になっていた」
というパターン。

なぜか昔から書くことを頼まれる人が多い。

不思議なのですが、私もどちらかというとそれに当てはまります。それも子供の頃から。
小学生の時に生徒会の書記に推薦されたり、中学では(十勝の学校でした)新聞社主催の壁新聞コンクールの清書役を任されました。特に壁新聞は題字のレタリングや背景の点描画も描いたりして楽しかったです。その時に周りに誉めてもらった感覚はこの仕事に通ずる気がします。

入社面接で「素晴らしい字を書くね。これは何か特別なペンで書いているの?」なんて聞かれたことも(ぺんてるのハイブリッドでした)。社会に出てからも宛名書きや式辞の表題をよく頼まれました。

当の本人はそんなに上手いとも思っていない(というか、そこまで上手くない…)ので「何で頼まれるんだろう」なんて思いながらも、子供の頃からずっとそんな感じなのでそれが当たり前なんですね。「書いて」と言われたら「はい」と即答(笑)。

筆耕士で他にもそういう方がいて、「意外とそんなものなのかもね」なんて盛り上がりました。
その方曰く、「この仕事って自分の字が求められなければそれで終わり。求められたらそれはそれで苦しい時も多い。そういう時も書き続けられるかどうかなんだよね」と。ああ、なるほどなぁと今ならわかります。この仕事をしている人はどこか使命だと思って字を書いているのではないでしょうか。

私は30代前半で「そういえば昔から興味があったな」と筆耕の仕事に応募し、採用になりました。履歴書には志望動機に続けて「どうかチャンスを下さい」と書きました(意外と熱いでしょ?笑)。でも心の中は冷静で、やってみて向いていなかったらその時は潔く諦めようと思っていました。

それが仕事をするうちに「もしかして向いてるかも」→「これだ!」に変わりました。
「こんなに感謝されて喜んでもらえる仕事は他にない。自分のやるべき仕事はこれだったのか」と気づいたんです。

仕事は長くても3年しか続かなかった私が5年続いているということは、それだけ自分に合っていたのだと思います。
とはいえ、まだまだ長い道の途中ですけどね。