百両をほどけば人をしさらせる

 包み(たぶん風呂敷包み)をほどいて中身の百両をどーんと曝すと、まわりで見ていた人が思わず後ずさりする、という句。現代でも、風呂敷包みをほどいた中から札束の山が現れたら、思わず後ずさってしまうだろう。そのあたりの大金に関する庶民感覚は今も昔も変わらないものだ、と思える。なお一両を今の十万円くらいと考えると(江戸時代は長いため、いちがいには換算できないのだが、とりあえずそれくらいだとすると)、百両は今の一千万円にあたる。確かにかなりの大金である。しさりたくもなろうというものだ。