家にいるのが無性に息苦しくて
気づいたら自転車をこいで家を飛び出していた。
お財布と携帯ぐらいしか入らない小さなバッグに
本まで詰め込んで来た場所は
20年ぶりに訪れた地元の喫茶店でした。
地元で栽培されたコーヒー豆を自家焙煎して
サイフォンで出してくれる喫茶店。
私の住む場所は茨城の小さなド田舎だから、スタバもドトールもない。
家のまわりは田んぼと畑しかないし
遠くに牛久大仏と筑波山が小さく見えるくらい。
大好きな分子生物学者の福岡伸一さんと
小説家の朝吹真理子さんとの対談本を読んだり
携帯に届いたメールに返事をしたり。
喫茶店のテラス席から眺める外の世界は不思議と遠く
店の前を通るたくさんの車の音は、店内のBGMに中和されていた。
こんなにも豊かな場所が、どこよりも近くにあったなんて。
小さい頃に入ったっきりで、大人になってからも
喫茶店の前を車で通過するだけだったから。
店内を飛び交う茨城弁。
都内じゃ聞くことがない「そうだっぺ」の言葉とかね(笑)
先祖代々が集まっても、茨城県生まれは私だけだろうし
九州の血が半分流れてて、茨城弁は喋れないけど
ここで生まれて、ここで育っただけに懐かしく思えるから不思議。
気が付けば、喫茶店で120分が経っていて
口から流し込んだ自家焙煎のコーヒーが
胸の息苦しさを洗い流してくれてました。
そういえば、ここの喫茶店は
バリスタのサイフォン部門で優勝して
全日本チャンピオンになった方がいる喫茶店。
(もちろん顔も知ってる母校の先輩です)
お店の隣りにはコーヒー農園があって、自由に見ることも可能。
120分の現実逃避で見つけたもの
それは、家から自転車でたった10分の距離にある
とっておきの秘密基地でした
iopon.