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これ、my包丁。

いきなり ぶっそうな写真でゴメンね(笑)


この包丁は、J.K.HENCKELS(ヘンケルス)です。

ドイツの有名老舗メーカーのヘンケルス。

知ってる人も多いはず。

もう、10年以上も一緒にいる私の相棒。


かれこれ12年くらい前のこと…

私は中学校を卒業した15歳の頃から

20歳になるくらいまで

仕事で多忙だった両親にかわって毎日の夕飯を作っていました。

炊事だけに限らず、洗濯・掃除などの家事も全て。


今でこそ、大好きな料理も

まだ15歳だった私には分からない事ばかり…

じゃがいもの皮を剥くのも手元がおぼつかなかったり。

料理中、何度も包丁で指を切ったり…

そのつど傷口を押さえながら消毒しに

あわてて救急箱を開けに行ったりしたっけ。

とにかく包丁が怖かった。


最初の数ヶ月間は、我慢できたけど

いつまでこの生活が続くんだろう…

なんで、こんな事しなきゃいけないの…

そんな思いが次第に募ってきて

仕事から帰宅した母親を見て

思わず泣いてしまった事が一度だけあった。

あの涙は悲しくて流れたんじゃなかったのは覚えてる。

今思えば、まだまだ幼かったなぁ…


当時は、遊びに行きたくても仕事をしていた訳じゃないから

たいしたお金もなくて

毎晩、毎晩、夜遅くなってから作る親のお弁当で

100円もらい、それをコツコツ貯めて

そのお金で絵の画材を買いに行ったり、友達と遊んだり。


色々な葛藤があった生活の中で

いつしか、どんどん料理も好きになり

どんどん楽しくなってきて…

自分でスーパーに買い出しに行って

今日の夕飯は何にしよっかなぁ~

特売になってるじゃん!! 冷凍しとけば大丈夫!!きらんっ

とか思いながら、家族の健康を考えたりしながら

料理を作って食べてもらう事が楽しくなっていったんだよね。


次第に包丁で指を切ることもなくなったし

とりあえず、和食も洋食も中華もエスニックも

どんな料理にも挑戦して、どんどん覚えていきました。


いつしか18歳になってた私は、絵の仕事をしながらも料理。

編集部の担当者から送られてくるFAXに目を通しながら…

出版社から届いた、まだ本になっていない原稿(ゲラ)に

目を通したりしながら、目の前では煮物を煮てたりね(笑)

(↑夢ぶち壊し?/笑)


そんな私の成長と共に一緒にいた相棒が、この包丁。

ヘンケルス君(笑)

槍を持って一人で立つヘンケルスのマークと

包丁を持って一人で料理と立ち向かった自分を重ねながら

じゃがいもの皮むきすら おぼつかなかった

15歳の頃を懐かしんでみたりね(笑)


この包丁と共に成長して

気が付けば、あの頃の葛藤はどこへやら…

自分の幸せはもとより、相手の健康を考え

喜んでもらいたい一心で作る料理の大切さを学んだ数年間でした。


その中で、ずっと相棒として存在してくれた この包丁を

My包丁にしようと決めてから、今でも大事に愛用しています。

きっと、これからもね。



iopon.