lookism

最近NHKの時論公論で、lookismについて取り上げていたので、ismのつく英単語をいくつか学んでみようと思った。そもそもismはギリシャ語のismosに由来していて、主義・思想に関する抽象名詞を作る。egoism (利己主義) idealism (理想主義) capitalism(資本主義)communism(共産主義)など。globalism (グローバリズム)などは、そのままもう日本語として使っている。

 

 問題なのは、しばしば差別を表す言葉になる。lookismなどは最近使われるようになったのか?外見至上主義を表す。美人、イケメンなど。「人は見た目が9割」という本がよく売れたらしい。

確かに入社試験や恋愛など、見かけが良いほうが絶対に得かな?とは思う。racism (人種差別)やageism (年齢で判断、差別される特に老人) sexism(性差別・特に女性差別)などは胸に突き刺さる。

 

 たとえば同じismがついてもoptimism (楽観主義)やpessimism(悲観主義)など、差別には関係ない語も、もちろんある。楽観主義者はoptimist 悲観主義者はpessimist 。面白いことわざがある。

Pessimists see the hole while optimists see the bagel. (悲観主義者はベーグル(ドーナツの形をした硬いパン)の穴を見て、楽観主義者はベーグルを見る)

落ち込んだ時、私は頭の中にベーグルを思い浮かべる。絶対に穴なんか見ないぞ!と。

 

 lookism やageismが世界に横行している今の時代に、ちょっと面白い映画を見た。ダイアン・キートンという有名なアメリカ人の女優さんが主役。彼女が71歳の時に主演した「ロンドン、人生始めます」は、夫亡き後、発覚した浮気や借金、上部ばかりのご近所付き合いなど様々なことから逃げて暮らしながら、自分には特技も何もないから自立できないと嘆くエミリー役。ひょんなことから、自然に囲まれた手作りの小屋で暮らすドナルドと知り合い、余計なものを持たずに幸福に暮らしている彼に惹かれていく。このドナルド役が、ブレンダン・グリーソン(ハリーポッターシリーズに出ている老俳優)。はっきり言って、美人でもハンサムでもないと言ってもいい老人二人が主役なのに魅力的な映画だった。リチャードギアが「オータムインニューヨーク」で中年ながら20歳にもならない美女と大恋愛して結ばれる映画を見たときは、二人共超good-looking だから、腹立たしかったが(笑)。ダイアン・キートンも良い年のとり方をしていて十分魅力的だった。生きかたが顔に出るのだと実感!

 

 そして何よりエミリーがドナルドと愛し合ったあとに獲得していったindividualism (個人主義・自立主義)は、もたれ合わないで愛するということの大切さを教えてくれもした素敵な映画だった。