未出版の作品たち④


王様の愛


元ネタは日本書紀に書かれている仁徳天皇のお話です。


仁徳天皇は私が尊敬している方です。


政治家たるもの、かくあるべし。


彼の治世は徳治政治と言われるもので、


徳により国を治める政治です。


古代の日本にそれが実現されていたのは

驚きです。


仁徳天皇は軍神とも称され、全国の八幡宮で祀られている応神天皇の息子ですが、皇太子に指名されていたのは、京都の宇治に住む兎道稚郎子(ウジノワキイラツコ)でした。


弟は文才に秀でており、それが気に入られたようです。


応神天皇が身罷られて、次の天皇を決めるときに、ワキイラツコは、


先例により、弟が皇位を継ぐべきであると、即位を固辞しましたが、仁徳もまた、兄をさしおいて皇位を継ぐことは不敬になると固辞し、その結果、三年もの間、皇位が空位になる異常事態になり、このままでは国が乱れることを憂いたワキイラツコは自ら命を断ちます。


そのようなことがあって、皇位を継がれた仁徳天皇の治世はどのようなものだったのか、この物語を通して知ってもらえたら嬉しいです。