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さて、サクヤヒメを迎えてからもなにかと多忙なニニギくんは、御一行様を引き連れて、あちこち巡幸する忙しい日々を過ごしていた。

サクヤヒメは体調がすぐれぬため、留守番をしていた。

こんなときに姉のイワナガヒメがいたら、話し相手になってくれるのに。

退屈ですわ…

そう、サクヤヒメはとても退屈していたのだった。

それにしても、この体調の乱れはどうしたことか。

不安にかられるサクヤヒメだった。

しばらくすると、
花の妖精がサクヤヒメのところにやってきた。

ヨイシラセ
ヨイシラセ

なあに?

サクヤヒメは妖精の声に耳を傾けた。

ゴカイニン
ゴカイニン

妖精はそう言って、嬉しそうにブンブン飛んだ。

まさか、早すぎるわ…

顔に縦線がさあーっと引く、サクヤヒメなのだった。

続く

 

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