オオヤマツミはダメ押しとばかりに、サクヤヒメの姉のイワナガヒメもニニギくんに嫁がせる、と言った。
当時は姉妹でひとりの男に嫁ぐのは珍しくなかった。
今の世なら重婚罪になるが、当時は一夫多妻は当たり前だったのだ。
なにしろ、結婚制度というものがなかったのだから、かなり夫婦関係はいい加減だったのだ。
子供がいなければ、うやむやになることもあったので、嫁いだら、なるべく早く子供を産むよう、娘たちは教育されていた。
子供がいることが夫婦の証明にもなるのだった。
さて、オオヤマツミの失態は、イワナガヒメのことをニニギくんに伝えていないことだった。
ひとことLINEすりゃいいものを、ニニギくんもきっと喜んでくれるにちがいない、サプライズだ、と逆に意気込む始末。
このあたり、男というものは、今も昔も変わらないのかもしれない。
女心がわからないオトコたちなのだった。
続く