鬼滅の刃 遊郭編。
世界的な人気作品となった鬼滅で、
なぜ、遊郭なのか?
鬼滅はスピリチュアルな物語でもあるので、
遊郭を舞台にしている理由もなにかあるのだろう。

そもそも、遊郭、花街というのは、
人間社会のあだ花のような立ち位置。
そこは歴史の裏舞台でもある。
決して表には出ない、裏の世界。
男女の愛憎渦巻く悪想念の堆積せし場所。
そこに炭治郎たち、鬼殺隊が切り込むのだ。

私の魂にも、遊女のような存在がいる。
それは心の中に魂の記憶として、溶け込んで、たゆたっていた。
魂のその部分に光を当てると、
その女性が形をまとい、現れてきた。
ポツリポツリと自分の人生を語る。
その語り口には、恨みつらみはなく、
ただそう生きるしかなかった諦観が感じられた。

貧しさに身体を売る悲しみは
今の私にわかりようもないが、
そうした女性は今も世界にはかなり多くいるし、
そこから脱出するための支援活動も
おこなわれてはいる。
そうした環境に身をおくことで、ひとの魂は、なにを学ぼうとするのだろう。

ひとが持つ業や悲しみを解きほぐし、
ただ否定するのではなく、
たださげすむのでもなく、
ただその悲しさに寄り添い、
涙を流すやさしさが
今の社会には必要なのではないか。
そう思う。

涙はひとの心の曇りを浄化する。

よっくる