【この世の刻限】
この世に住む時間には限りがある。
だから、人は時計で時をはかるのかもしれない。
有限の時を刻むために。
この世の終わりがあるとすれば、
人生の終わりだろう。
自分にとっての、この世の終わり。
自分がいなくなっても、
この世はなくならない。
文明は、破壊と再生を繰り返す。
大きな戦争があっても、
人は、焦土から何度も立ち上がってきた。
そこに、人の持つしぶとさ、強さがある。
だが、人は死ぬと、復活することはない。
少なくとも、今世の自分は一度きりだ。
イエス・キリストでさえ、
復活できたのは、ほんのいっとき。
弟子たちのやる気スイッチを押したら、
あとは弟子たちに託して帰天された。
そうして、キリスト教は世界的な宗教になり、
今も多くの人を救い続けている。
人は死ぬと、復活することはない。
その意味で、一度きりの大切な人生を生きているのに違いない。
人の一生の長さをあらかじめ知ることはできない。
いつ死が訪れても構わない。
その気概と覚悟が必要だ。
明日の朝は目覚めないかもしれないのだ。
突然、ガンになり、余命宣告を受けることだってある。
交通事故でポックリ逝ってしまう。
心筋梗塞で突然死。
死のメニューは実にさまざまだ。
人はすぐに死ぬものと、承知しておけばよいのだ。
一日一生と心得て、生きていけばよい。
よっくる