【あの子は転校生】
中学生くらいの女の子が二人。
長い髪の子と短い髪の子。
長い髪の子はお嬢様っぽい。
短い髪の子は従ってる感じ。
今度、転校してきたあの子、どんな子かしら。
なんだか、宇宙人ぽいのよね、お仲間かしらね。
本人に聞いてみましょうか?
バカね、正直に言うわけないじゃない。
宇宙人はね、自分の正体は秘密にするものなの。隠密行動してるのだものね、当たり前だわ。
正体がバレると警戒されますもんね!
というか、変人扱いされて、友だちできないじゃない。私みたいにね。
お嬢様、そんなことは。
いいのよ、一人は慣れてるから。
私はあなたがいてくれたら、それでいいのよ。
お嬢様…(萌え)
それはともかく、あの転校生はただ者じゃないと直感が来てるから、調べないとね。
でも、直接聞いても教えてくれないんですよね?
そうね、なにか別のこう…、シチュエーションが必要ね。
たとえば、怪我をしてるところを助けてもらうとか。
怪我、ですか?
そう、よ。宇宙人は愛の塊(かたまり)だから、困ってる人がいたら、ほっとけないはずよ。
はわわ、お嬢様、まさか、その…
大丈夫、痛くしないから、安心して。
はわわ、でも、でもー!
(左ひざに包帯をまく)
これで、見た目は立派な怪我人ね。
はあー、びっくりした。
ばかね、私が乱暴なこと、するはずないでしょ?
え、ええ、ええ、そりゃあもう、信じてましたとも!
じゃあ、転校生のところに行って、わざとつまづいて見せなさい。
それでシカトするなら、ただの人、助けてくれるなら、宇宙人の可能性、あり、よ。
はーい、それくらいでしたら、ちゃちゃっと行ってきまーす!
・・・
お帰り、どうだった?
はい、あの転校生、とっても親切で、友達になっちゃいましたー!
友達に?それはよかったわね。
(そこまで命令してないけど)
は、はわわ、友達になったと言っても、名前を名乗りあったくらいですから!
なんだ、その程度なのね。まあ、いいわ。
それで、あの子、とっても親切で、血のついた包帯まで、変えてくれたんですよ。
血のついた包帯?
あなた、怪我なんかしてなかったでしょうに。
えへへ、それが、あの転校生の前で派手にぶっころびまして。
まあ。(ドジね)
そうしたら、ひざ小僧、ほんとにすりむいたみたいで、包帯に血がじわって染み出して、わたしが血が、血がって叫んだら、包帯をとって、絆創膏をはってくれて。
これしきの傷なら、これで大丈夫って。
ふーん、まあまあ、やさしいわね。
面倒見がよいだけかもしれないけど。
はい、でも、とってもさわやかな笑顔で、わたし、好きになっちゃったかも。
(人たらし、か。宇宙人の特徴かもね)
是非、お嬢様も、直接コミュニケーション、とってみてくださいませ!
(なんだろう、心がザワザワする…。友達をとられる不安?このわたしが?)
そ、そうね、ひとまず様子を見て、それからよね。
まだ、どんな子かわかったわけじゃないし。
あなたは継続して、あの子にアプローチして、私に報告するように。いいわね。
は、はい!わかりましたっ!
つづ…かない笑
よっくる