須佐神社詣での奇跡
須佐神社へは出雲市駅前のバス停より朝7:50に始発がある。
ググってそう調べた私は、早めに宿を出て、市街を散策する余裕っちぶり。
出雲市街には日本神話にまつわるモニュメントがたくさんあって、楽しい。
市街を流れる川に白鷺の姿が。
市中にある八雲神社。
左右には狛犬代わりに龍が。
時間前にバス亭に行くと、同志と思われる女性が一人、バスを待っていた。
だが、しかーし!
時間になっても、バスは来ない。なにゆえ?
彼女がなにか気づいたようで、バス停の時刻表をじっと見ている。
私もよく見てみたら、そこには・・・。
「土日祝日は運行しておりません」
と、赤字でていねいに書いてあった。
うそーん(爆)!
二人で顔を見合わせて、思わず苦笑い。
私の頭に
「タクシーで相乗り~❤」
という素敵なアイデアが浮かぶ。
次のバスまでは二時間もあり、大幅な時間ロスとなる。
うむ、合理的な提案だ、なるほど!
思い切って、提案してみたら、お金がいくらかかるか、気になる模様。
「たぶん、片道、六千円くらいで、帰りは最寄りのバス停からバスで帰ることもできますよ。」
と言ったら、OKしてくれ、二人で、いそいそとタクシーに乗り込んだ。
こんな美人さんと同行できるなんて、
あー、レンタカーでなくて、よかったーっ!
旅は道連れ。
まさにこういう奇遇が旅先では起こるものである。
彼女は須佐神社についてそれほど詳しくなさそうだったので、
須佐之男命の終焉の地であることなどを伝えた。
タクシーの運ちゃんは
「往復乗りなさい」
と往復一万円でオファーしてくれ、彼女も同意。
やはりタクシーは相乗りで乗るのが合理的だ、うむ!
片道40分ほどの道のりはとても楽しかった。
タクシーの運ちゃんがいろいろ教えてくれた。
宮司さんはお医者さんをしている、とか。
出雲市にはお医者さんが多い、とか。
ま、どーでもいい雑学ではあるが。
須佐神社は里山のやしろ
写真の通り、須佐神社は山奥の村にある小さな社だった。
大きな神社を想像していた私は、やや拍子抜けした。ここで一時間は滞在するつもりだったから。
気を取り直して、神社の由緒書きを見る。
神社の由緒書きというのは情報の宝庫だ。
そこには等身大の神の姿が浮かび上がってくる。
括弧書きで(須佐大宮)と書かれているのが、昔は大きなやしろだったことを忍ばせる。
なにしろ須佐之男命が老後をまっとうした地である。
昔はオオクニヌシの親神として盛大に祀られていたことだろう。
自分の名前から「須佐」の字を土地に与えたというから、須佐之男命は、よほどこの地が気に入っていたのだろう。
実際、このあたりの里山の波動はとても高いと感じた。
街中にないことがこの聖域の波動を守っているとも言える。
境内の案内には「須佐の七不思議」が掲示してあった。どれどれ。
少なくとも境内にある名所スポットは見ておきたいところ。
まずは塩の井から。
都会にいると、井戸なんてとんと見かけなくなったが、田舎にはまだあるのだな。
ここの井戸は稲佐の浜とも地下で通じていて、塩水が吹き出るらしい。
これから出雲大社に行くので、水で海とこんな山奥までつながっていると聞くと、地下水脈ってすごいなと思う。
ここは龍の通り道だ。
そして、本殿の裏の林に千年杉がそびえていた。
この天空に向かい、凜とそびえる杉の近くに立つと、自然と手が合わさる。
畏敬の念に打たれるのだ。
この地上で、この里山で、千三百年の時を生きてきた先達に、自然への感謝の思いを伝えた。
林のいっぽんいっぽんの木々にも、それぞれ個性があり、木霊がやどる。
須佐神社の横を流れる須佐川は清流だ。
そして、須佐神社の真向かいには天照大神の社(やしろ)が。
小さいながらも荘厳な雰囲気の社だった。比較的、最近建てられたのかな。
彼女が天照大神に祈る後ろ姿が巫女さんに見えた。これが本日のベストショット。
最後に、須佐神社でいただいたおみくじを紹介しよう。
『大吉』
久しぶりに見た気がする。
これは、須佐之男命からのメッセージ。
遠くまでよく来た。
そう言われたような気がした。
弥栄!