【足ることを知る】


人類は大量生産、大量消費社会を作り出し、

そのひずみがあちこちに出ている。

食料品の大量廃棄問題、フードロスもそのひとつ。

食糧資源を廃棄する先進国と、飢餓に苦しむ第三国の格差世界。

それは、分かち合うという価値観が地球文明に根付いていないということ。


地球は私たちに必要な資源はすべて与えてくれている。

しかも見返りを求めない。


しかるに、人間は、勝手に所有権を主張し合い、富を独占したがる。

それは一部の人がそうなのかもしれないが、

人類の集合意識がそれを認めてしまっているとも言える。

集合意識は個々の意識の集合したもの。

その想念エネルギーは同調圧力にもなる。

戦時中の日本の状況を見れば、わかるだろう。

ナチス支配下のドイツもそう。

個々の人間はやさしい人たち。

それが集団になると狂気とも言える愚行を繰り返す。

それが集合意識によるものだとすれば、

そこから距離をおくのは難しい。


足ることを知りなさいと、

いにしえの先人たちは言っている。

共存共栄の分かち合いの社会が地球の未来だと

するならば、どこかで現代文明は舵を切らねばならない。

足ることを知り、必要なぶんだけ消費すれば、

人々は平和に暮らしていけるはず。


フードロスなど、戦前はあり得なかったろう。

みな、貧しかったから。

その時代の反動が飽食の時代に現れたとも言える。

古代ローマ末期は、食べ物を食べては、意図的に吐いて、また食べて、を繰り返していたとも言われる。

何のために食べるのか?

生きていくために必要だから、という基本線をこえて、おいしさを味わうため、が行き過ぎて、そうなった。

滅びの道は自然の摂理から離れていくことより始まる。


感染症の拡大は飲食業に打撃を与えたが、

飲食のあり方を見直す好機ととらえたい。