高倉健さんの最後のパートナーで養女の小田貴月さんの書いた本を読んだ。

高倉健という男の中の男に寄り添った女の中の女の物語でもあった。

また、貴月さんの視点で語られる高倉健という小宇宙の一端を感じることができた。

高倉健は日本男児であり、サムライであり、武将である。

漢という書いておとこと読むが、まさにそんな人物。

礼節を重んじ、頑固なまでに自分の哲学を生きた。

それでいて、少年のようなところもあったようだ。

家庭を何よりも大事にし、仕事には命がけで打ち込む分、家庭には安息を求めた。

そのパートナーに貴月さんを見出した。


貴月さんも海外に取材に行くような行動的な女性だったが、高倉健の人生の伴走者となる決意をすると、家庭に入り、家庭を守り続けた。

このような男女の関係があり得るのか?と思うが、ある意味で男女の愛のひとつの型を創り出したと言ってもいいだろう。

参考とすべき書。


なみになぜ妻でなく、養女なのかというと、健さんの意向だったようです。

一度めの離婚で紙の届けに意味がないと感じられた健さんはあえて入籍もせずにいたそうです。

でも、それだといろいろ不都合が生じるため、万一情報がもれても大騒ぎにならない養女としたそうです。


今の結婚制度自体、いろんな問題があることを考えるとなるほどなあと合点がいきました。