【転生輪廻物語】
プロットをメモしていたのを見つけた。
このままお蔵入りするのは、もったいないので、ブログに記録しておきます。
◇平安世(平安の世)
トキは平安。
平和な世の中。
キョウトに住むキゾクたちにとっては
わが世の春。
ユキマロは
センヒメと逢瀬を重ね、
センヒメはユキマロの子を宿した。
しかし、政敵のワナにはまり、
ユキマロは子供の顔を見ることなく
地方に飛ばされる。
センヒメはさみしさに泣き暮らし、
産後の肥立ちも悪く、
早逝した。
ユキマロは
その知らせを地方にて知り、
泣き崩れるのだった。
◇前世(きおくせ)
ヒロシマの街にゲンバクが投下された。
それは人類の、犯してはならぬ過ち。
はるかな古代文明で行われた悲劇が
時をこえて再び、繰り返された。
大国の為政者の心に
恐怖と力による支配への誘惑が
訪れた。
それは、悪魔のささやきでもあったろう。
天より落とされたイカヅチのように
ヒロシマの街をなぎ払った
ゲンバク。
それは、
平凡な日常に襲いかかる
不条理。
ユウタはエダジマの海軍基地で
その光を見た。
脳裏にはヒロシマで母とともに暮らす
妹、チサの顔が一瞬、浮かんで、消えた。
(さよなら…)
チサの言葉が
風のように
ユウタの耳をかすめていった。
(チサ!)
ユウタは、もくもくと立ち昇るキノコ雲を
唇をギュッとかんで、見つめていた。
◇現世(うつしよ)
今、ココ。
現在進行形。
◇未来世
「ユウキ!」
「ちなつ君!」
二人は手を取り合った。
そのせつな、
カミのイカヅチの閃光が
二人の世界に覆いかぶさる。
二人の肉体はとけて、
魂だけが残った。
二人の魂は、
手をつないだまま、
あの世へと旅立った。
大勢の天使に見守られながら。
◇宇宙時代の幕開け
黄金色に輝く星、地球。
宇宙船から地球をながめながら、
地球での長い学びを終えた二人の魂は、
別の星へと旅立った。
新たな星の進化を助ける、
スペースエンジェルとして。
・・・
これから世界が
何度、崩壊を繰り返しても、
二人は出会い、
恋に落ち、
結ばれるのだろう。
それは、
二人の魂の
永遠の誓いなのだ。
完