【帰れる場所】

私は初代ガンダムを生で見た世代なのだけど、監督の富野さんはスピリチュアルな視点でロボットアニメを製作されてきた方。
ニュータイプというコンセプトも人類の心の革新がテーマ。
でもその力を戦争に利用されて、苦しむ。
生きるために戦い、たくさんの人を敵として殺し続ける日々。
でもホワイトベースの仲間を守るために戦い続ける。
戦場では戦士として戦わなければならない。
でも、敵のニュータイプとは心が通じ合ってしまう。
単なるアニメとは言えない深い人間ドラマがそこにはあった。
(ガンプラに夢中の少年たちに伝わっていたかは疑問だが)

最終話で最後の戦いに生き残った主人公がホワイトベースのみんなの元へと帰るシーン。
今や自分の家族であるホワイトベースの仲間たちが手を広げて主人公を迎える。

主人公は
「僕には帰れるところがある。こんなうれしいことはない。」
と言って涙する。

アニメ史に残る屈指の名場面だが、今、思い出すと万感心にせまるものがある。当時はそれほど感動しなかったのに。
家族の大切さを、家族を持つことで学んだからかもしれない。

よっくる