【日本の使命】

現代文明において、日本には果たすべき使命がある。

日本は世界のへそと言われる。世界の雛形とも。

日本が沈むと、世界が沈む。

それくらい、日本の役割は重要。

たとえるなら、洗面所でせんをして、水をはっているとして、

そのせんをとってしまったら、水は排水口に吸い込まれて、

なくなってしまうだろう。

そのせんの役割を日本はになっている。

日本には世界で一番のすばらしいものがたくさんある。

ひとつに、和食文化というものがある。

和食は、世界遺産にも指定されるくらい、世界中が注目する健康食。

特にアメリカはメタボな食生活が深刻であるが、

サプリメントよりも和食の方が注目を浴びている。

肝心の日本人が若者中心に和食離れしているのが嘆かわしいが。

それから、ジャパニメーションという文化がある。

漫画やアニメといった文化は、日本で発展して、海外に輸出されている。

特にアニメの品質の高さは世界中でも認められている。

宮崎アニメなどはその代表といえるだろう。

そして、なにより日本が誇れるのは、その国民性だろう。

勤勉さや我慢強さ、お人よしなところ。

基本的に性善説の国であるように思われる。

(むろん、そうでない人もたくさんいるが)

「風立ちぬ」という宮崎アニメが昨年公開されたが、

ゼロ戦を開発した技術者を主人公のモデルにしている。

この映画のテーマのひとつは、日本のものづくりのすばらしさを

描いていることだろう。

20年遅れていた飛行機製造技術を、他国に学びながら、創意工夫を重ねて、

追いつき、追い越して、当時では世界一の飛行機、ゼロ戦を作った。

日本には「技術立国」という言葉があるが、技術というのは、人が生み出すもの。

創意工夫とか、斬新なアイディアとか、インスピレーションを天から受けて、

新しい発明というのはなされるものだが、日本の場合は基礎技術よりも改良技術が

優れているようだ。

他国が開発した基礎技術を取り入れ、日本風にアレンジして、新しい高品質のものを

生み出す。

そういう能力が日本人にはある。

日本人が多様な価値観を受け入れてきたのは歴史が示すところでもある。

宗教も、古来からの日本神道というものがあるが、神道は仏教やキリスト教などと

ぶつかりあうこともなく、共存してきた。

それは、日本神道が大調和の教えを基本とし、多神教であり、多様性を認める教え

であることに由来するのではないか。

日本は島国だが、単一種族ではなく、海外からの移民の血がまざりあっているように

思われる。

日本人と一口に言っても、純粋な日本顔もあれば、南国風、大陸風、いろいろある。

アメリカは移民国家であるが、日本も島が海上に隆起してできたと考えると、

そこに住む人は基本的に周辺の国々から海を渡り、日本に移り住んできたと考えられる。

多様な民族がひとつの土地の集まり、ともに暮らす中で、多様性を受け入れる土壌が

育まれてきたと私は推測している。

実は、これからの時代には、この大調和の価値観が重要になる。

今、世界で起こっている戦争の多くは、宗教の対立からくる宗教戦争といわれている。

単純に国家間の争いだけではなく、キリスト教とイスラム教の長年の対立だったり、

ユダヤ教とキリスト教、ユダヤ教とイスラム教、いろんな組み合わせで対立が激化している。

宗教は本来は宇宙のことわりを示す教えであり、たまたま教祖がちがうため、その伝え方に

個性の違いが現れているだけである。

にもかかわらず、宗教同士がわれこそは正しいと主張し、他の宗教を攻撃するのはなぜなのか。

それは、長い歴史を経るなかで、宗教もどんどん変質していき、ドグマ化して、多様性を認めな

い偏屈な教えになってしまっている、

宗教が宗教団体化していて、組織を維持することが優先されるようになっているためではない
か。

それは教祖の願っていたことであろうか。

そのように考えると、将来のありたい姿は、やはり多様性を認める国際社会であろう。

お互いの個性を認め合い、共存しあう、大調和の教えを基本においた世界秩序。

それをなすことができるのは、日本人がDNAに持つ、和の思想ではないだろうか。

今は日本人がその受け入れる性質ゆえに、欧米の文明に毒され、本来の自分たちの価値観を

見失っている時代。

まずは日本人一人ひとりが和の教えを取り戻し、思い出し、それを国是とし、

世界に伝えていく、そんな時代が来るのではないか。

そして、そのことをもって、世界が地球国家としてひとつにまとまる道が開かれる

そのように夢想している。

よっくる