【アイはリンネする②】


「おばあちゃんの玉手箱」より。


今日は何を話そうかの。

そうそう。リンネの話じゃった。

人はみな、アイという魂をこの身に宿しておる。

でも、ふだんは、あまり表には出てこないんじゃ。

生まれてから芽生える意識があっての。

お前たちが自分だと思ってる意識のことじゃよ。

難しい言葉で言うと、エゴというんじゃ。

(おばあちゃん、その言葉、ぼく知ってるよ!)

おや、そうかい、えらいねえ。

アイとエゴはつながっておるんじゃが、

この世を生きるのは、エゴの自分。

後ろで黒子のように寄り添うのがアイの自分。

そんな役割分担をしとるんじゃ。

それでの、リンネとエゴの関係なんじゃが、

リンネというのは、アイである魂が、この世とあの世のさまざまな世界を経験するために、あちこち渡り歩くことをリンネというんじゃ。

魂は永遠の旅人というての、

それはアイが神様より分かれた分身での、

永遠のイノチを神様と同じように持ってるから、できることなんじゃ。

生きとし生けるもの、みいんな、神の子。

神様の前では、みんな平等なんじゃよ。

アイという魂は、生まれ変わることができる。

魂が肉体をもらって、新たな人生を船出するのが誕生の意味じゃ。

その人生の主人公は、エゴの自分。

エゴの自分は、一回きりじゃ。

この世の人生限りじゃ。

ええか、今の人生は一回きりじゃ。やり直しはきかん。

失敗も成功も、この人生だけの大切な経験であり、学びなんじゃ。

記憶はアイの自分に記録するから、永遠に残るんじゃがの。

ええか、龍馬さんというエゴの人の人生は幕末の一回こっきりじゃ。

今は天国で、アイの龍馬さんになっとるがの。

アイの龍馬さんが今度生まれてくるときには、まったく別の人として、人生を送るんじゃ。

幕末の龍馬さんは、アイの龍馬さんという魂の記憶として、おられるんじゃ。

まあ、そんなことで、アイとエゴはつながっている。

アイは永遠のイノチで、いろんな世界をリンネする。
この世とあの世を行ったり来たりしておるんじゃ。

エゴはこの世の人生一度きり。

これをよう覚えときなさいよ。

リンネは、アイが魂を磨くための仕組みじゃ。

一つひとつの人生は、エゴが主役。
あの世に戻ると、アイに帰るんじゃ。

たくさんのエゴがひとつのアイにつながり、帰っていく。

そしての、アイは神様につながっておるんじゃ。

アイは永遠の魂じゃが、エゴは、この人生かぎり。
今の人生が失敗したり、つらすぎたりすると、さっさと終わらせて、次の人生にいこう、なんて、思う人も多いかもしれん。

だけどのう、
早かれ、遅かれ、人の肉体はいつか死ぬんじゃ。
逆にいえば、死ぬまでは生きることをゆるされ、この世で経験を積むことをゆるされ、時間を与えられておる。

死に至る病なんぞという難しいことを言った御仁もおったがの。

死は一人ひとりに与えられた、この世の人生のゴールなんじゃよ。

決して、恐ろしくもなんともないんじゃ。

誕生と死は対になるもの。

この世とあの世を結ぶ、入口、出口。

そう思っとりゃええんじゃ。

おや、もう夢の国にいってしまうましたかの。

それじゃ、今夜の話は、これでおしまい。

おやすみ、いい夢を。

よっくる(^-^)/