「陸くんの誕生日」
陸くんは生まれて一日しか生きられませんでした。
陸くんが亡くなって、両親はとても深く嘆き悲しみました。
... でも、しばらくして、また新たな命を預かることになりました。
「陸くんの生まれ変わりだね」
二人はそう言って、愛情深くその子を育てました。
両親の愛に育まれて、その子は大きな愛を持つ大人になりました。
そして、たくさんの人が幸せになるように働きました。
彼が肌身離さず持っているお守りには「陸」と書いた紙が入っていました。
彼の心にはいつも陸くんの存在があったのです。
たった一日の人生でも、誰かにバトンを渡すことができる。
それができたから、陸くんの人生は大成功!
だって、みんなでひとつの命を生きているんだから。
自分の役割をしっかり果たして、あの世に帰ろう♪
おしまい