母が施設に入所して、お試し期間から数えると一月が経つ。
要介護1なので特養には入れず、近くの介護付き有料老人ホームに入所している。
入所に至るまでは、本当に悩んだ。
私にとっては大切な大切な母、ましてや介護を仕事としている自分が自分の母の介護に疲れてしまい施設に入れてしまうという一大事、罪悪感しか無かった。
しかし、一月経ち、これで良かったのだと思えてきた。
週に一度は実家に連れて帰り、翌日の午前中に再び施設に送り届けるという生活になり、毎日、四六時中母の安否を心配しなくてもよくなり、私は本当に腑抜けになるくらい楽になった。
母も施設ライフはそんなに否定的ではなく、3食しっかり食べ、お風呂にも入り、ユックリと暮らしているように見える。
「ここにいたらボケるわ〜〜」なんて言うので笑える。
ぬりえや脳活ドリルを何冊か持っていったが、以前ほどしていない様子。
施設のことを聞くと「そんなに良くもないけど、悪くもないから、、」と母なりに覚悟?諦め?のような気持ちを理解している。
それに週に一度、一泊二日を一緒に過ごすだけなので私もすごく優しく母に接することができる。
おしゃべりしながら二人が笑う時間が以前より増えたようにも思う。
夕方は庭の草むしりを一緒にしたり、テレビを見たりして過ごしている。
一泊した朝はゆっくりと過ごし「そろそろ行こか?」と言うと「どこに?」とは聞いてくるが、〇〇の施設と言うと、「あ〜そやな」と全く嫌がることは無く、普通にディサービスに行くように家を出る。
施設に着いて別れる時も、ニコニコと手を振って施設の人と見送ってくれている。
私も「また来週迎えに来るね〜」と笑顔で応える。
やがては母も、家に帰ることすらできなくなる日が来るだろう。
今、この穏やかな母との関係をできるだけ長く継続できたらと願っている。
