ユッカの最後の一葉が枯れかけて、私もようやく観念した。
35年もの間、ずっと側にいてくれてありがとう。
やっと決心がついたよ。
この世の全てのものは、いつかは朽ちてしまうんだ。
人間でも動物でもない植物のあなたと長い間一緒に暮らしてきた。
一杯声もかけてきた。
その声に応えるように頑張ってくれたね。
一緒に泣いて、笑って、怒って、悲しんで、そして喜んできたね。
そうしていつも見守っていてくれたね。
本当にありがとうしかない。
かなり中も傷んでいて切るのに時間がかからなかった。
呆気なく切れてしまったことが、また切ない。
しかし、

ちゃんと子孫も残してくれた。
これからはこの子たちを大切にしていくよ。
往生際が悪い私は、枯れかけた最後の一枚を捨てきれずにいる。
リビングのディスプレイも夏のブルー系一色だったので、秋風に変えてみた。







