私の実家は餅屋だった。年末のクリスマス位から、お鏡さん等のお正月のお餅で忙しくなり、家族でクリスマスなんてしたこともなく、いつも兄とケーキを食べコーラを飲んでおしまいだった。

結婚した先も商売をしていたが、年末だけは実家の手伝いをさせてもらっていた。

嫁ぎ先の両親は掃除にうるさい人だった。普段から毎朝、廊下や階段や台所等の板の間は全部雑巾できれいに拭き掃除をしていたので、履いていたジーンズは何本も膝の部分が擦れて穴があいてしまった。

当時、年末に実家の稼業の手伝いをすることに義父も義母も気を良くはしていなかった。口には出さなかったが、雰囲気で伝わっていたのだ。

年末の掃除に手抜きがあっては悪いと思った私は、毎年12月に入った頃から大掃除を始めた。窓拭きは義父の気に入るようにピカピカに磨きあげ、台所も流しの中から綺麗にしたので、義母も喜んだ。


その主人の両親も今ではいなくなり、家も21年前に新築し、誰にも掃除でとやかく言われることは無くなったが、習慣とは怖いもので、今でも12月に入ると、掃除が気になって、早い時期から外回りやガラスふきを始めている。

決して私はきれい好きでもないし、人と比べたらキッチリできない方かもしれない。

でも、年末の掃除だけはやっている。

休みが限られている上に、その休みに孫のもりを頼まれたり母の通院等が入り、時間が取れないけども、ある程度自分でスケジュールを見ながら予定を組んでいく。

予定通りに進むと、やる気がアップする。

今日は、2階の窓ガラスと、その外回り、カーポート回りをきれいにできた。

近所では、皆年末のギリギリしか動いていない。だから、今日も通りの窓ガラスを必死に磨いているのを見られるのが恥ずかしかった。

来週末は、1階のガラスをきれいにしよう。レースのカーテンも洗おう。

年々手抜きにはなっているし、面倒だが、年末の掃除は嫌いではないのかもしれないと思う。
誰に見てもらう訳でもなし、誉められる事もない。
私しかこの家を掃除する人がいないから、仕方なく一人コツコツやっていくうちに、一層この家に愛着を感じるようになった。


でも、肩凝るわぁ。
年とともに、ホドホドにしとこっと。