
寝間着のぶうにゃん
グラス(足のついたグラスだから洋酒?)
に飲み物が入っているし
隣のお姉さんも
飲み物を持って
グラスを合わせている。
妙齢のお姉さんは
仲居さんではなく
お酌ともてなしの為に
お席に呼ばれたのだろう。
いや、しかし
ぶうにゃんは
ロシア語とドイツ語しか
操らないはず
一体
何語で何を話しかけ
場を持たせたのか
ただ
お姉さんは
着物を御召ではあるが
御髪を結い上げてはいない
当時はあった
コンパニオンさんだろうか
若いぶうにゃんは
規制の多い大国で
生まれ育ったけど
自由を守られた国なら
こんな車にも
乗りたかっただろう。
アイビールックで
田舎町を闊歩していた頃
この車に乗っていた。
ガタイは大きいけど
エンジンは小さく
そのくせハンドルが重くて
小回りは利かない
ガソリンを湯水の如く
必要とした
天才的な燃費の悪さながら
可愛いヤツだったと
今でも懐かしむ。
リアウィンドウの羽や
後部座席の窓の
鮫みたいなのも
お気に入りで
スポーツカーならではの
ツードアも
不便だと思うより
只管カッコイイと思ったそうだ。
二十歳そこそこのぶうにゃん
酒席は好まれたのかしら
コンパニオンさんもいいけど
同じ年頃の
音響機器ヲタクと
心ゆくまで
語り合いたかっただろうなあ。
今は
奥様と二人
言葉いらずの時間が
何よりの癒しなのかな。
ぶうにゃんが
いつも いつも
心身共に
お健やかで
ありますように。
