柔らかにカールした髪

弾き終わりは
どの指だったんだろう?
男性で
こんなに繊細で
綺麗な手の写真には
そうそう
お目にかかれない。


目は
閉じているのか
軽く見開いているのか


譜面が置いてあるから
リハーサルの一幕か


眩しいくらいに白いシャツ

若々しい
ビビッドなネクタイ

濃紺か黒のジャケット


パンツは
グレーだろうか


しかし
楽譜の
オタマジャクシの多さよ。


楽譜と言えば
ブラスバンド部のお友達が
自分のパートを
必死で写譜していた
あの楽譜が浮かぶ。


彼女は
クラリネットだった。


メトロノームではなく
パートリーダーが
ドラムスティックを使って
一定のリズムを取る中
4人で楽譜と
仲間の目を見ながら
一生懸命吹いていた。


休み時間には
リードをヤスリかなんかで
擦っていたっけ。


あの時
ピアノパートはあったのかな?

全く記憶がない。


トロンボーンを操るお友達の
ぷっくり膨らんだ頬が
とても可愛らしかったのを
思い出す。


指揮していたのは
音楽の先生だった。

楽器を操る生徒より
ずっと表現豊かに
全身とお顔を動かしていたっけ。


定期演奏会にも
確かに行ったけど
何を演奏したのか
全く覚えていない。


眠ることはなかったけど
心に焼き付くことは
無かった。



……で
ぶうにゃんだ。


三年前から
本当に飽きることなく
毎日英雄を
聴いている。


このお写真のぶうにゃんは
どんな曲の金粉を
撒き散らしているんだろう。


楽しみな
今年のプログラムの
コンサートが
やっと
近づいてきた。


あとひと月。

穏やかに
何事も無く
その日を
迎えられますように。