
極々一般的な
広くはない一軒屋に住まう
小市民の私からすると
お伽話の中の一場面のような
広々としたお庭なんである。
鮮やかな緑が
目に優しいけれど
昔あったという卓球台は
このお庭の一隅だったのかしら。
森のように木が生い茂っているから
多少のピアノの音は
庭内でのみ
響くのだろう。
惜しい!
惜しいな!
でもピアノの音に関しては
ずっと以前から
諍いがあったようだから
今は防音設備も万全だろうし
思いの儘に
ピアノに向かえるんだろう。
私みたいに
貧乏が染み付いていると
つい
お庭の一角で
できるお商売を探したり
せめて
駐車場にして
ジュースの販売機の一つも
置きたくなるところだ。
そんな
贅沢な空間で
やんごとなく
お茶を楽しむぶうにゃんは
あまりに似合い過ぎて
生まれた時から
ここで生活していたかのよう。
そんな空間を作り出すのは
なんでもできちゃう
スーパーワイフの手腕だろう。
何の才能も無い我が身が
本当に情けないけど
なんでもできたら
身の程知らずに
ぶうにゃんのお側近くに
いきたくなるに決まってるから
神様はアジな事をなさると
笑ってしまおう。
我が家の駐車場には
誠に生産的な
パセリと大葉が植えてある。
私には
これがお似合いらしい。