先日
頼まれた用事があって
同い年の従兄弟の所に
顔を出した。
 
 
私のほうが
予定日は早かったのに
私の母は私が初産で
従兄弟の母である伯母は
3度目のお産だったので
ヤツの方が一週間ばかり早く
産声を張り上げた。
 
 
 
そのせいで
何かと偉そうにするのだけれど
お邪魔した机の上に
毎日新聞の夕刊があった。
 
 
そこには
麗しきピアニストぶうにゃんが
おわしましましていた。
 
 
叫んだ!
 
 
ヤツの用事は一先ず置き
私はこの夕刊を
我が家に連れ帰り
お宝BOXに入れねばならぬ…と
必死の形相でまくし立てた。
 
 
ヤツは解ったような
解らぬような
ぼやっとした顔で
首を縦に振った。
 
 
はて、
ヤツが持って来いと言ったのは
何であったか。
 
 
何とか用事を
思い出し
そそくさと帰って来た。
 
 
 
たった一週間早く産まれたからと
やけにエッラそうなヤツではあるが
積年の暴挙も許してあげようと
思った。
 
 
 
それほど、良い記事であった。
 
 
又お写真が高貴である。
 
 
文句のつけようがないとは  
当にこのことだと
やに下がって
見るも無惨な我が面を
情けなく思いつつ
お宝BOXに埋蔵した。
 
 
 
今年を締めくくるに相応しい
誠に喜ばしい事件であった。
 
 
 
長い付き合いの従兄弟ではあるが
ほぼほぼ初めて
良い仕事をした。
 
 
仕方がない
何か又申し付けてきたら
一度は笑って
叶えて進ぜよう。
 
 
 
 
よいか 従兄弟よ
努々ぶうにゃんに
心からの感謝を
忘れるでないぞ。
 
 
お主のワタシ的ステージは
一段階上がった。
 
 
 
PS
 
この事件が起きたのは
先週末のことなのですが
その後我が家を訪れたヤツは言った。
 
「俺が選挙に立ったら
 お前応援演説しろ」
 
「アホ!
 先ずは自分の知性と人間性を
 磨きまくれ‼」
 
と返したのは言うまでもない。
 
血筋というのは恐ろしい。
ヤツと似たり寄ったりの血が
自分に流れていると思うと
百年の不作の嫁を娶った御館様にも
申し訳ない。