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補正は苦手。
というより
私にはできない高等技術
だからこうなる。
コンサートがあると
録音録画禁止だと必ず放送がある。
でもさ…
忘れたくないじゃん
でも
忘れちゃうじゃん
だから
無駄だと思いつつ
思ったことを必死で書く。
今回も
見たことをなるべく書き留めた。
そのメモが酷い乱筆乱文で
我ながら呆れてしまう。
ぶうにゃんは
ゆっくり杖をついてお出ましだ。
よく見る動画のように
左手をピアノの端に置き
やんごとなく頭を下げてくださる。
いやいや
頭を下げるのはこちらでございまする。
などともごもごしながら
どうにも身の置き所がない。
そして椅子にドスンの一歩手前くらいで
腰かけた。
椅子の左側に
もう一つ椅子があるのか
台があるのか
確認できなかったけれど
そこに杖をそっと置くぶうにゃん。
そして徐に
ジャケットのボタンを外し
腰を浮かせてジャケットの裾を
後ろに払った…ように見えた。
…この動作がなんとも言えず
高貴なのだ。
大好きなのだ。
そして
演奏を始める。
ジャケットは去年の
八ヶ岳・人見記念音楽堂と同じ
チュニック丈のような黒い上着。
ネクタイは黒の蝶ネクタイのように見える
…けど遠目だから自信はない。
二曲目が終わり
三曲目の前に用意されたお水をコクリ。
四曲目が終わると
ハンカチで汗を拭く
素人目にも疲れが見える。
ここで一旦中座。
直ぐにピアノの前に戻った。
手にはひらひらと
ハンカチを持って…
いたような気がする。
六曲終わると一部が終わり
大きな拍手に送られて
ドアの向こうに姿を消す。
その間に調律をしている。
外は雪
カメラは一台のみ。
私の席は一番後ろから三列目。
四人並びの右端だった
その左端の通路に
カメラマンがカメラを構えていた。
お正月に放送される番組は
ほぼほぼ私が見ているぶうにゃんということだ。
二部が始まってもカメラマンは戻らない。
うっそ~~~ん。
と思いながらシューマンに聞き惚れる。
メンデルスゾーンを弾くころには
私のような素人でも
一音抜けた?と思える箇所が出てくる。
天才はお疲れなのだろうか。
そして万雷の拍手に
何度もにっこり笑いながら
頭を下げてくださる。
鳴りやまない拍手に応えて
何度かドアと舞台を往復する
貴公子ぶうにゃん。
何度目かの登壇で
いよいよピアノに左手を置き
アンコールに応えてくださる。
ここまで体力が回復なさったのだと
胸がいっぱいになる。
去年の八ヶ岳では
演奏が終わると足が縺れていた。
アンコールが終わると会場に電気が灯り
コンサートの終わりを告げる。
客先から見えたぶうにゃんの
右側の横顔の線が
本当に奇麗だった。
演奏中の横顔が
窓の外からの光が逆光になり
切り絵のように見えた。
時々頭を反らすと
綺麗なオデコから
スラリと高いお鼻。
その高い鼻から顎にかけて
モデルも斯くや…と言わんばかりの
絵に描いたようなラインだった。
私の好きな天才ピアニストは
本当に美しい
……と読み返すのが億劫になるほどの
殴り書きをしていた。
大阪では
ピアノに集中するべきだろうか。
