芳紀…
女性が当に咲き誇る直前の
眩い若さを振り撒くお年頃。
ならば!
ぶうにゃんだって
芳紀…があったろう。
あの尊い見た目と
類い稀なピアノの技術を持った
ハンサム ピアニスト。
何故
私の目は
他の美しい芸術家が
目に入らなかったんだろう。
まあ、
理由は一つではない。
世に言う
牛乳瓶の底チックな
分厚いレンズの眼鏡がなんだ。
雨が降ろうものなら
勝手気ままに
カールしそうな
天パーヘアが悪いか?
ニコッとは笑うけど
なかなか
ワハハとは笑わないのは
ハンサム法に違反なのか?
必要以上に長い手足だからとて
誰憚ることはない
ただ
この時は
未だ少年だった。
二十歳になったかどうかという
少年と青年の
際にいたのかもしれない。
少し
危なっかしくて
勢いが溢れている。
若いって
そういう事かもしれない。
ぶうにゃんは
若い頃から
見た目は
実年齢より
老生しているように
見えてしまうけど
胸の内は子供に近く
大人社会に放り込まれるには
柔らか過ぎたように思う。
華も恥じらう頃の
ぶうにゃんは
可愛らしくて
突っ張っていて
肩肘張っていて
少しだけ
痛々しい。
…そんな
お写真。
恥じらいを
思い切って
振り払っているみたい。
