磐田市にある
山葉ショールームに
お邪魔してきた。


毎週ではないけど
ショールームを
見学させてくださる。


バイクが主な展示品だから
ピアノの展示は
一台だけだった。


ピアノは
物凄い数のバイクの中に
女王様のように
存在していた。






ピアノの前のボードには
創業当時のことが
書いてあったから
初期のグランドピアノを
展示してあったと思う。
勿論わからないけど。


少しコンパクトだけど
丁寧に手入れされ
とても美人のままだった。






バイクを
うっとり見る人が多い中
美人ピアノを
飽きずに見ていた。


ぶうにゃんも
こんな風に
恋をしたんだなあと
思わず笑った。



色鮮やかなバイクに囲まれた
深窓の令嬢のような
ピアノを見ていると
ピアノを黒と決めた人は
天才だな…と思う。


埃を被れば
ほら、そこ!
と直ぐに解り
拭かざるを得ない。


風に揺れるカーテンの前や
綺麗なドレスをお召しの方の前では
さり気なく
色を引き立てる。


そして
あの綺麗なカーブだ。


流線形で
スピード感を出す
夥しい数のバイクの中にあっても
抜きん出て美しい。


声は出さなかったけど
比類なく美しい声で
周りの人々に
笑顔を振りまく。


エンジンの
地を這うような音や
オイルの匂いがしそうな
ショールームの中で
ひっそりとしながら
堂々と存在していた。



沢山の音楽家の中の
ぶうにゃんみたいに
そこだけ
スポットライトが
当たっていたようだった。


ぶうにゃんは
ピアノの何処が
1番好きなんだろう。


響板の下を覗き込みながら

本当に美人さんね…と
声をかけたら
案内の方が
パンフレットをくださり
浜松本社工場には
ピアノが沢山ありますよ
と教えてくださった。


いつか
行ってみたいな。