妥協…

私が最もよく心に置く言葉。



他人だらけの婚家では

自分の意思や思いに

蓋をするのが

家族平和に

一番手っ取り早い方法だった。



私は悪くない!

と思っても

丸く収める為に

何度も頭を下げた。



今振り返って

お館様にその頃の話をすると

なんとも言えない顔になる。



写真は、

ちょん切れているけど



妥協する人生なんて

送りたくない



と若いぶうにゃんが

言っているところ。



この横顔と

このメガネだから

コンクール直後だろう。



二十歳そこそこだから

妥協なんてしたくなかったろう。



でも

彼が住まわる大国には

自由という文字も実感も

少なかっただろう。



妥協というより

諦めている学生や

芸術家が多かったろうな。



コンクールのとき

ルイさだ 君は

素直に大らかに

ぶうにゃんのピアノを

好きになってくれた。



恋をした


と言ってくれた。



その自由な発想と

飾らない言葉は

ぶうにゃんを幸せに

してくれたんだろうな。




私にもサラリーマンの

経験がある。


向上心のスタートは

自分より仕事ができる人を

認めて

長所は素直に取り入れることだ。


粗探しばかりしていたら

先へは進めない。



世界の最高峰のコンクールで

競い合う仲間に恵まれたから

妥協なんか

してる場合ではないと

心に刻んだのかな。




経験が

ワールドワイドだと

学びも

ワールドワイドだなあ。



最近の私は

少しだけ

妥協する回数が減ってきた。


その分

幸せの数が増えたようだ。




何と言っても

昇給、有給休暇、特連休

な~んにも無しの生活だったけど

お休みして、ぶうにゃんのピアノを

聴きに行けるようになった。



だから

ぶうにゃんには

私の空白期間を埋めるべく

長く長く

演奏活動をお願いしたい。



ぶうにゃんのピアノは

私に、

今は幸せだと

改めて

感じさせてくれる

大きな大きな力がある。




これを

世の中では

恋の魔法と

いうのかもしれない。