今日は

ピアノの日

なんだそうな。



思い起こせば

近所に

裕福な家庭の一人娘という

やんごとないお友達がいた。



彼女の広いお家には

綺麗に磨き上げられて

ピカピカした

アップライトピアノがあった。



小学校3年生のお誕生会に

お招き頂いた時

彼女が

乙女の祈りを

弾いてくれた。



楽譜も見ずに

堂々と弾く姿は

本当に綺麗で

うっとり聴き惚れた。



我が家は

父が長男だったので

祖母と父の一番下の弟(叔父)が

同居していた。




当然の事ながら

自分の部屋などなく

応接間というより

居間が共有スペースだった。



ピアノは

どんなに

手を伸ばしても

到底届かない魔法の楽器だった。



88鍵の鍵盤の幅は

122センチと言う。



彼女は

端から端まで

手が届いたのだろうか。



椅子も

今のような

長方形の座面ではなく

丸い椅子だった。



ピアノの黒といい

カバーの海老茶といい

フリンジの金色といい

見たことの無い

深い深い色だったなあ。




我が家の娘は

幼稚園の頃

エレクトーン教室に通い

小学校に上がるタイミングで

コースを一つ上げようか…と

相談しようと思った矢先

あちらから

「ポピー(添削教材)を

 頑張るから

 エレクトーンはやめる」


と宣言した。


以降

彼女の音楽的思考は

嵐に会うまで

ピクリとも動かなかった。



長じて高校生の頃

腿を3回叩いて


この曲何だっけ


と聞いてきた時は

本当に折れるかというくらい

首を捻った。



近くにいた彼女の弟が



ベートーヴェンの

運命だね



と言い


娘が


そうそう


と言った時は


この二人は

未確認飛行物体から

地球に降り立った

異星人に違いないと

確信した。




ピアノ




あんなに憧れたから

神様は

ぶうにゃんという

天才ピアニストを

私の目に映してくれた。



ピアノは

魔法の箱だ。