隊列や整列訓練の
名残だろうか……
ぶうにゃんの爪先は
踵を付けても
開いても
90度を保っている。
これが
ピアノの前に座ると
大変御行儀よく
揃えてペダルを踏むけど
それでも
若干つま先は開き気味だ。
だから何なのだ!
と言うなかれ
初来日の青い青年だった頃
演奏後、舞台の上で
舞台に向かって
精一杯手を伸ばした女性に
マナーブック通りに
綺麗な立ち姿の腰を折り
花束を受け取るお写真がある。
その時も
気をつけ!
から
上半身を折るので
爪先は気をつけの
90度開いたままだ。
だから
一体何を言いたい!
と言われそうだけど
この
90度開いた足が
好きなのだ。
数多ある
片思いの種の一つだ。
でも
大国の
思想教育の名残だと思うと
胸がチクリと痛む。
選択の自由は無く
必須科目として
整列や集団行動もあったと
想像する。
幾つかの国境を持つ国だから
我が平和ボケ
最上級ノンポリティカルの私とは
戦争や軍隊という言葉に対する
距離感に大きな開きがあるだろう。
今は社会人になってから
この集団行動を経験するらしい。
勿論一部の企業だけど。
良し悪しはともかく
研修の一つというだけの
集団行動訓練は
戦争との距離も
考えるチャンスになるだろうか。
日本の若者の
直立姿勢は
やはり大国とは
大きな差がありそうだ。
どちらが良いとは言えないし
必要な事だから
仕方ないのかもしれない。
ぶうにゃんの
青春時代には
パステルカラーや眩しさが
少なかったんだろうなあ。
パリの街並みの明るさに
目を見張った17歳のぶうにゃん。
90度に開いた爪先は
少しだけ
不自由に見えた。
