ふっくらした頬。

厳しい眼差しと
引き結んだ唇、

形の良い頭に内蔵された
性能抜群のコンピューターが
作動していそう。


見るからに
気難しそうではある。


多分
ご自分のピアノに対しての評価が
一番厳しいのだろう。


昨年放送された
国営放送番組を見た。


公演前
何度も何度も
同じところを
弾いているぶうにゃん。


いつだって
一番のお友達で
慰めてくれるのも
傍にいてくれたのも
優しいピアノだったんじゃ
なかろうか。


その大切な相棒のピアノを
違うんだ!
ボクが弾きたいのは
こうじゃない

と、言わんばかりの
厳しさで
対峙している。


カッコいい。


お怪我をなさってからのぶうにゃんは
触れば(触ることは無いけど)
骨の存在を感じるほど
痩せていらした。


こんなにふっくら
生活が、充実していた頃が
確かにあったのに。


この頃のぶうにゃん
本当に素敵。

心身ともに充実していたんだろうな。


でも
手放さなければならないものが
人生にはあることを
知ってしまったぶうにゃん。

素人には解らないけど
ピアノの音も
変わったんだろうか?

お習字のように
歳を重ねるほど
余分な物を削ぎ落として
枯れてゆくようなことが
ピアノ演奏にも
あるのだろうか。



この頃のぶうにゃん

素敵すぎて
直視できないけど
それは
今のぶうにゃんも同じ。


やっぱり
不躾に見ることなんて
できない。


舞台から離れた客席から
麗人のお姿を拝ませて頂き
無形文化財とも言える
ピアノの音の宝石を
楽しみたい。


ピアニストと
ファンの
丁度良い距離で
ただうっとり
演奏に包まれたい。



あぁ
秋がこんなに
待ち遠しい。


ぶうにゃん
日本は
鯉のぼりが空にはためき
春霞がかかった富士山が
綺麗な季節になりました。


ご存知でしょうか……