狭い実家には

オルガンがあった。



そして

オルガンより

場所を取っていたのは

読書好きの父の為の

書棚だった。



その書棚に百科事典があり

最終巻は


世界の音楽


だった。



そこには

何枚かのEP版レコードと

解説書があり

ステレオを使いたくて

レコードに針を落とした。



何枚目かのレコードの

ラ・カンパネラ

繰り返し聴いた。



それが

私とクラッシックの

出会いだ。



その後お小遣いを貯めて

ドボルザークの

新世界より

を買った。




フィギュアスケートも 

大好きだった。



昔のフィギアスケートは

ボーカルはなく

クラッシックを使っていた。



カタリーナ ヴィットの

カルメンや

伊藤さんのラフマニノフが

好きだったし

誰も寝てはならぬ や

マダム バタフライ

禿山の一夜を

うっとり聞いてた。



昔は

直ぐに聞きたい曲を聞ける

機器は無かったから

耳から入ってくる音楽の中に

クラッシックがあった。



幸せだったんだな。

自然にクラッシックに

出会えたもの。



ピアノを弾けなくても

耳から入って

胸に残るクラッシックが

今もあればいいのにな。



ぶうにゃんのポロネーズや

協奏曲第一番

アンダンテスピアナートと

華麗なる大ポロネーズが

何かの拍子に

流れてくれば

いいのにな。




今は

クラッシックと

子供の出会いの偶然が

なかなか無いように

思える。




学校の音楽は

ポップスもいいかもしれないけど

美しい音楽に

触れる数少ないチャンスだから

大切にしてほしいな。