この
御御足を見よ。
ダンス選手権で
ワルツを嗜まれる
ダンス部の部長みたい。
演奏している時は
ペダルを踏むのも
脹ら脛と腿の筋肉を使って
踵を支点に力点である
指の付け根を使って
微調整しているように見える。
ピカピカの
エナメルシューズ
は堅そうに見える。
こんな風に
柔らかく曲がるようには
とても見えないけど
歩くという動作は
足の裏を一度に地面から
離すのではなく
踵から爪先に向かって
順に離してゆくのだから
カチンコチンの靴では
歩けない。
それでも
堅めの靴かと
思っていたけど
この右足の曲がり具合は
履き慣れた靴のように
柔らかそうだ。
美しき青きドナウが
流れてきそうな
足元に見えるのは
気のせいだろうか。
紳士の嗜みで
ダンスもなさるかもしれない
つい、素敵だろうなあと
うっとりする。
体育祭のフォークダンスでも
一際目立つ存在ではなかったか。
女の子達が
ぶうにゃんが隣にくるのを
ワクワクしながら
待っていたのかもしれないと
妄想はどこまでも広がる。
ダンスパーティーがあっても
ぶうにゃんから
shall we dance?
とお誘いする場面は
なかなか想像できないけど
奥様には猛烈アタックをした
情熱派ぶうにゃんだ。
あのスラリとしたスタイルに
キラースマイルを添えて
スッと右手を差し出したり
したのかもしれない。
一枚の写真を
うっとり見つめながら
やに下がった
だらしない顔で
楽しい妄想タイムを
過ごした。
