既に

左肩が上手く動かない頃ではないかと

思います。



そう思って聴くと

ただただ涙が出る。



最初聴いた時は


やっぱり

コンクール本選が一番!


と思った。



でも

あのドキュメンタリーを見てから

久方振りに聴いてみると

まどろっこしいと思ったのは

やはり理由があったのだと思う。




オーケストラも

ゆっくり演奏している。



第一楽章が始まって

14分位の所は

疾走感が迸り

なんとも言えない昂りを感じるのに。




コンクールの時の

スピード感はないけど

奏でるという言葉が

ぴったりな演奏だと

素人ながらに思う。



その弾き方が

第二楽章にぴったり。



ロマンティックで華やかな感じは

コンクールの時の演奏より

強く感じる。



そして

第三楽章。



勇壮で高らかだった

19歳のものとは違う。



丁寧に心を込めているように

私には聴こえる。




ゆっくりなせいで

聴き逃していた連符が

私にも聴き取れる。



あんなに力強かった

左手の音は

影を潜めているけれど

それでも

耳を逸らさせず

引き付けたままだ。




知らず知らず

涙が出ていて自分でも

びっくりする。



もう少し

もう少し

頑張って!



と言いながら

最後の最後まで

涙を拭かずに

聴いていた。




あの演奏を

こやま女史は

なんと表現なさるだろう。




ぶうにゃんの

元帥作曲協奏曲一番は

どれも素晴らしいと

今更思う。




bravo

bravo

ぶうにゃん。



アンコールのマズルカは

ペダルを踏む音が

よく聞こえて来る。




サントリーホールの

この演奏を聴くことができ

思い切り拍手できた方々を

心底羨ましく思った。