ぶうにゃん

21歳の頃。



くぅーっ

なんて綺麗なんだ。



タキシードも

髪型もメガネも

煙草を挟んだ指も

お値段は付けられません!

の美しさ。



カフスボタンにはパール。



綺麗に切り揃えた爪。



モノクロームなのが惜しい

グリーンに灰色かかった瞳。



このインタビューも

禅問答のような

小難しいやり取りが続く。



一人の時間や

一人の空間が

如何に必要なのか。

現実世界ではなく

理想の世界が

どれほど大切かを

抽象的に、解りにくく

話している。



ご自分でも

自分の考えていることを

一言二言では

言い表せないと

宣わる。



美学的な真理

美意識に感動を与える

絶対的な生きた美しさ

調和のとれた美



ルノアールの絵についてだけでも

この調子で話が進む。



インタビュアーが

愚問かもしれませんが…

といえば

その愚問にお応えするのは

難しい…

とこうくる。



ディベートがお好きなのかしら?



ただユーモアもあるのが

可愛い。



今(1987年9月)好きな作曲家は?

と聞かれて



ピアノで

こきりこ節を弾き

すましていたらしい。




で、ダンヒル。

この時ふかしていたのは

違う銘柄だけど

好きなのはダンヒルと仰せ。



どこまでも

一筋縄ではいかない

芸術家らしい。


まっ

そこも好きなんだけど

家族の一人だったら

メンドクサイと思っただろうな。