ピアニストには

あまり大きな初動が無い

…ように思う。



時代劇の斬られ役よろしく

大袈裟な動作というのは

敢えて言うなら

演奏後や

心血注いだ一音の後のように

私は思っている。



私の大のお気に入り

コンクールの最終予選の

協奏曲一番。


オーケストラが

4分ほど演奏した後

待ちに待ったピアノ演奏が始まる。



その時も

ぶうにゃんは

鍵盤の弾き始めの音の上に

手を浮かせて

指揮者の合図を待っている。


流石のぶうにゃんとて

僅か19歳。

最初の一音は緊張しただろう。


オーケストラとの共演は

ピアノだけが際立ってしまうのも

宜しくないのだと

回らない頭で考える。



よく響く最初の音は

決して小さくはない。



でも身振りは

大きいとは言えない。



大きな音は

然程高い位置から

弾かなくても

タッチとペダルで

弾き分けるんだろう。



あの

初動の

余分な動きの無い所


好きだなあ。



気持ちは

充分入れ込んでいるだろうに

平静を装うかのようで

ちょっとカッコつけてるみたいで

好き。



協奏曲一番は


『ぶうにゃん大好き』


だけでできている。



さて、

私の今年の初動はと言えば

何の習得もなく

相変わらず

あくせくしながら

始まった。


余裕なぞ一つもなく

お洗濯だのお風呂掃除だの

お雑煮作って

お節並べて

ドタバタと始まった。



ぶうにゃんの

協奏曲第一番の

水を打ったような

高貴な初動には

ほど遠い。



まっいいか。


平均的な主婦の

年の初めは

こんなものだろう。



今年も

無事に始まった。



ぶうにゃんのピアノに

励まされ

慰められ

笑顔を頂きながら

ふっとい身体を持て余しつつの

私の初動となりました。



今年も

エンジン全開

馬鹿馬鹿しい事満載の

お気楽BRAVOぶうにゃん!は

動き始めます。



お休みらしく

午前中の投稿が

初動です。