譜面台に置いてある物が

気になる。


多分譜面だろうけど

覚書にも見える。



そして

ぶうにゃんのポーズ。


正に西洋人と言わんばかりの

ジェスチャー。


ピアノを弾いている姿を

映像として見ると

繊細な音に、成程似合う

繊細な手なのに

手のひらから見ると

とても肉厚で

使い込んだ手指に見える。



ピアノとのお付き合いも

50年を超えたぶうにゃん。


半世紀以上を

ピアノと共に生きてきたことになる。




もしかしたら…だけど

お怪我をして

リハビリに全力で取り組んだ

この数年が

一番ピアノと距離を置いたのかも

と想像する。



この手は

柔らかいのだろうか

皮が厚く硬いのだろうか。



アスリートの筋肉は

決してカチンコチンに硬くはなく

弾力があり

柔らかいという。



柔らかい筋肉の方が

怪我をし難いのだそうだ。



ぶうにゃんと同じ年に

コンクールに出場した

日本人の女性ピアニストの

お母様は

彼女がピアノ以外の事を

しなくていいようにと

心を砕いていらした。



ぶうにゃんは

雑誌のインタビューで

お掃除もすれば

お料理もなさると

答えていた。


生きている人間の手なんだ。



手には人生が出る…と

私は思っている。



当然の事ながら

私は

使い込んだ

ぶうにゃんの手が

大好きだ。