これを

貴公子と呼ばずして

誰を貴公子と呼ぶ?



チャコールグレーだろうか



しっとりした

落ち着きのある

オトナのスーツに

お洒落なネクタイ。


スーツが引き締まって見える

ポケットチーフ。



知的な眼鏡に

キチンと撫でつけた髪



ひゃあー

ピアノも素敵だけど

見た目も一流なんだから

そりゃ人気も沸騰する。



人見音楽講堂に

中国の歴史教科書に

出てきそうな

銅板のえらく大仰な楽器があった。



それは覚えてる。



でもこんなに

ヨーロピアンな壁

あったっけな?



只の白い壁でも

ぶうにゃんがスックと立ち

ポーズを決めれば

一枚の絵のようになる。



この磨き上げた木材の色が

又ぶうにゃんに良く似合う。



高貴でおハイソなんである。



私の片思いは

何処をゴールにして

走り続けるんだろう。



我ながらふと不安になる。



この年の人間としては

些か難がある

が、しかし

女性としては

許容の範囲内のような

気がする。



お館様には

落胆の連続だろうけど

お館様が

若いアイドルに血道をあげても

良くやったと

褒め称えてあげるから

もう少し見て見ぬフリしてね。



世の中は

クリスマスカラーで

とても賑やかだ。


そして

ぶうにゃん病の私は

頭の中のぶうにゃんに

赤いとんがり帽子を

被っていただく。


ラフに

白いシャツに赤いセーター

茄子紺のスラックスを

身につけて頂き

漆黒の艷やかなピアノの前に

御鎮座賜る。



きゃあ~〜

声は出さねど

頭の中で

クラッカーが暴発する。



ぶうにゃんに

より良いクリスマスが訪れ

ピアノと共に

素敵な夜をお過ごしになりますように。



さあ、

小掃除

小掃除。