ぶうにゃんの著書である。



本は何度も繰り返し読む物と

小学生の頃から

思っていたから

折り目を付けたり

食べたり飲んだりしながら読むことは

ほぼ無い。



言葉の意味を知らない時は

なるべくその場で

辞書を引く。



ただ、

この本は珍しく

付箋が沢山付いたままだ。




半世紀前の大国の様子は

俄に信じ難く

ぶうにゃんが体験した

様々な事件!も

日本では考えられない。



だこらこそ

ぶうにゃんの行動や

思考回路には

納得より驚愕が先んじる。



その数が

付箋の数だ。



あどけない男の子の頃から

世界を手にした青年期までを

事細かに書いた本は

何度読んでも

知らない世界であって

想像すらできない生活だ。



いや、

私の世間が狭く

余りに

モノを知らないせいかもしれない。



この付箋の付いた所を

順不同で開く。



柔らかい

豊かな感受性を持ったぶうにゃんや

緻密で冷静沈着な策士ぶうにゃん

悪戯や楽しい事が好きで

寂しがりやのぶうにゃんが

あちらこちらに顔を出している。



これからも

何度も読むんだろうなあ。



少しずつでも

大国が変わっていれば

いいなあ。



大国の芸術家が

自由に才能を伸ばし

適正な評価を受ける

真に自由な国になればいいな。



その前に

今、起きている悲劇が

終わる術が無いのかを考え

実践する自由が

これからを担う若人に

ありますように。



他人事ではない。


我が日出る国も

存亡の危機だ。




ひと昔前のたくろうの唄ならば

今日本は損傷の激しい

古い船のようだ。


新しい船に変える力は無い。



海も荒れている。


舵取りを

昔の海図の読み方しか

学んでいない先輩だけに任せて

本当にいいのだろうか。




海底の様子や

天気図を

最新機器で読み取り

古い船に新しく設置できる機械を積み

違う航路で進む若い船乗りは

何処の国でも必要とされている。




そんな変化を

ぶうにゃんは

拍手を以って

喜んでくれるだろうか。



恥ずかしながら

私も切望している。



政界も

音楽界も

文学界も医学界も

みんな、みんな

そうかもしれないね。




『古い船を今動かせるのは

古い水夫じゃない。』


  拓郎     イメージの唄より



古い水夫は知っているのさ

新しい海の怖さを…


と続くのだけれど

若いピアニストさん達が

拓いてゆく未来が

明るく温かくありますようにと

祈ります。


ぶうにゃんは

唯一無二だけど

ぶうにゃんのような

鮮烈な光を放つピアニストが

音楽界を照らしてくれますように。