口は真一文字に閉じているけど
何か言いたそうな目をしてる。
このタキシードに
ワインレッドの蝶ネクタイは
1987年の東京ライブ。
この翌年には
世紀の大冒険ともいうべき
母国からの脱出劇となる。
この頃はすでに
移住するんだ!と
決めていたのだろうか。
著書を読むと
割と深淵な計画をたて
実行したようではある。
社会主義国の
大きな稼ぎ頭だったぶうにゃん。
集まるミツバチも
数えきれない程だったろう。
未だ
少年の面影が漂う青年の
密かな計画は
小さな綻びもないよう練り上げ
実行された。
国境を越えるまでの
デコボコ道を
忘れられないと記していたけど
今も未だ記憶が鮮明だろうか。
少しずつ
薄らいできただろうか。
ぶうにゃんは
後悔していないと言うはずだから
記憶の色は優しくなったかもしれない。
平和ボケの私には
全く解らない事だけど
未だに国外脱出は
思うようにはいかないんだろうか。
ぶうにゃんの
遥かなる道は
平坦に美しくなったかな?
ハンブルグでも日本でも
安らぐ場所があるなら
本当に良かった。
これからも
穏やかに
ゆっくり歩く道が
どこまでも続きますように。
さすれば、我が茨の恋路も
アチコチぶつかりながらでも
ぶうにゃんの背中だけを頼りに
進めそうな気がする。
片思いバンザイ。
