お友達に譲って頂いた本。

色々な音楽家について
筆者の方の印象や
インタビューした時の様子が
記されている。


指揮者
管楽器奏者
声楽家
弦楽器奏者
ピアニスト

とパート毎に分けられて
興味深い。


あの聞かん坊のような
きーしんさんが
意外にも謙虚で礼儀正しいそうだ。


炎のような
からやん指揮者のお話も
興味深かった。


して、
ぶうにゃんである。


冒頭は

『人がどう評価しようが
かまわない』


コンクールに優勝してからの活動を
マスコミに叩かれてきたぶうにゃん。

言い過ぎではないかと
ついつい庇っていたのだけれど
御本人も多少の自覚があったらしい。


『人気に踊らされ
一時は金銭的な物に欲が出て
自分を見失ってしまった……

五〜六年前から
人気取りを一切やめたんだ。』



と始まる。


この本の初版は1998年。
インタビューは
それより前だろう。

コンクールから10年は
日本人が彼の才能を潰したと
言われているように
ご当人も地に足が付いていなかったと
回想している。


なんだか胸が痛む。


でもその後は拠点をドイツに置き
時々来日する生活の中で
何かに気づき、
何かが変わったらしい。


著者の方は
雨の中、
レコーディングの様子を
見る事を許されて
会場に向かった
とある。

流れてきたのは
バッハ

仙台の女子高生のコーラスを
伴奏して
私を泣かせたあの曲だ。



「人がどう評価しようが
 かまわない。
 これが私のバッハなんだ。」


ドイツの教会でバッハを聞いて
再スタートとして
バッハを弾きたい

と思ったそうだ。


バッハ
凄い。


ぶうにゃんの
10代から20代が
リサイタルに追われ
自身を狂わせたと認めている。
多分あまり美しい色ではない
思い出なんだろう。


なんだか辛くなるけど
正しく導いてくださった
バッハに感謝だ。


やはり
私は去年、
ぶうにゃんのピアノに
2度目の恋をして良かった。


心身共に大人になった
素敵な魅力が溢れる
ぶうにゃんに
恋をして良かった。


引用は総て
伊熊よし子さんの
【クラッシック 貴人変人】より。


最初が指揮者のからやん。

最後がピアニストのりひてる。

著書の方の熱量が伝わる。


青臭いぶうにゃんに
渋味が現れ
大人の階段を
登り始めた頃の
思い出話でした。