この

屈託がない


翳りもない



ピアニストの道を

ただ只管に歩く

ぶうにゃんの笑顔が好き。



長じれば

勿論浮世の定めや

しがらみに翻弄される。



しかもぶうにゃんは

足枷や手枷も感じていただろう。



伸びやかな手足や

スクスク育った

背高のっぽの身体や

傷つきやすい青い時代の心は

見るほど

爽やかではなかったかもしれない。



それでも

ピアノの前では

こんなにあどけなく

恐れを知らない笑顔で

観客を魅了する。



しかもピアノの音が美しいのだ。



同じ楽譜を

同じピアニストが

同じピアノで弾いても

毎回同じ曲には聴こえない。



それがピアノの妙味かもしれない。



残念ながら

それが解る私ではないけど

弾き比べを聴くのがお好きな方の

お話を伺って

取り敢えず黒鍵のエチュードを

聴いてみた。



いつ頃のぶうにゃんだろうか。

安定しているように感じるのは

ライブではなく

スタジオ録音だろうか。



いつの頃からか

素人にも解るミスタッチは

姿を消した。



それでもぶうにゃんのピアノは

本当に美しく

大好きだけれど

二十代初めの

この恐れを知らぬ頃のぶうにゃんが

私の耳と心を

掴んだまま離してくれない。



今のぶうにゃんも

ぶうにゃんだから好きだけど

好んで聴くのは

コンクールのポロネーズと

協奏曲一番なのは

変わらない。



オトナになるって

冒険しなくなることかと

思ったけど

再会コンサートのシューマンは

勢いがあって

本当に素敵だった。


アンコール曲は

身動きできないほど

力強く客席に降ってきた。


もしや、ぶうにゃん

第二の青春時代到来か!



応援します。

心から拍手します。



はにかんだ笑顔が

又屈託のない

ぶうにゃんの笑顔になりますように。