椅子に腰掛けてから

左手をピアノに置いて

距離を調整する

珍しいぶうにゃん。


やはり

椅子の位置は

ペダルや鍵盤というより

幼い頃から慣れ親しんだ

ピアノと身体の距離が

あるんだろうか。


まあ

グッとやっても

そんなに椅子の位置は

変わらなかったみたいに見える。

お尻の位置を変えたのかな。



いや

その微調整が大切なのだ。

きっと……。


ぶうにゃんは

凡人ではなく

天才なのだ。




目を閉じても

上を向いても

要は鍵盤を見なくても

いつもの位置に座れば

ちゃんと弾けるんだろう。



ぶうにゃんの

あの形の良い頭の中には

何曲もの

何枚もの楽譜が

整理整頓されているはず。



指も身体も

きっと覚えている。



慣れ親しんだ

ピアノとの距離は

実質的な距離だけでなく

心と音の距離もあるんだろうな。





なんにしても

このグイッで

どの位ピアノとの距離が

縮まったのだろう。


センチではなく

ミリのお話なんだろう。


プロの感覚は

鋭くて細やかなんだろうな。




小ネタ




ロッジ入口にあった

白樺の……なんだろう。

犬かなあ?

鹿かなあ?